楽器選び・ケア・保管方法について

湿度と気温に注意しましょう

湿度・気温はなるべく一定なところに保管してください。極端な湿度や温度の変化は楽器にダメージを与えます。
ハープは木でできている為、湿度の変化によって木も伸び縮みします。
理想的な湿度は50パーセント前後(40〜60パーセント)と言われています。
湿度が高すぎると木が膨らんでピンが回りにくくなったり、折れてしまうこともあります。
保管場所が特に湿度が高い場合は除湿機を使用したり、湿度が低い冬場は加湿器を利用することも非常に有効です。
直射日光やエアコン、ヒーターなどが直接楽器あたらないように注意してください。

演奏後は楽器や弦を拭いて埃を防ぎましょう

演奏後はきれいなクロスやタオルで弦や、サウンドボードなど、ご自分の手の触れた部分をきれいに拭き取ります。
グランドハープの場合、柔らかいブラシ(お化粧用のブラシなどで対応できます)でディスクの細かい埃を払い、カバーをかけて、大切な楽器を清潔に保ちましょう。

レバーとペダルについて

保管に限らず演奏をしないとき、アイリッシュハープのレバーは常に下げておきましょう。グランドハープはペダルを一番上のスロットに上げておきます。弦の余分な緊張を解きます。 ただし、他の楽器のように、弦を緩めたりする必要はありません。ハープは弦の張力で保たれている楽器です

スペア弦を準備しましょう

『楽器販売店へお伝えしたいこと』を参照。

学生さんへお伝えしたいこと

ハープの購入の前に

楽器の購入の前にできればある程度レッスンを受けておくことがお勧めです。ご自分で実際にハープを試奏してみましょう。
・ご自分でどの楽器が適切か判断するのが難しい場合は、信頼できる楽器店や講師に相談してみてください。演奏したい曲、演奏目的、ご予算、練習スタイルなどから、ご自身にあったハープのアドバイスを致します。

毎日チューニングをしましょう【重要】

ハープは張力で保たれている楽器です。毎日チューニングすることでハープの状態が保たれますし、演奏者ご自身の聴力を鍛えることもできます。正確なチューニングをすることで、弾いていない弦も共鳴し、楽器全体の鳴りも良くなります。

弦の張替えについて

ハープの弦は消耗品です。弦が切れてから張替えをするのはもちろんですが、新しく張り替えた弦が安定した音程を作れるようになるには、数日から1週間程度かかります。弦の張替えは、本番直前にするのではなく、2〜3週間前に済ませておくことをお勧めします。弦の音質が落ちてしまったり、何度チューニングしても演奏しているうちに音程が下がってしまうような場合は、弦が切れる前に取り替えておきましょう。

学校関係者の方へお伝えしたいこと

アイリッシュハープとグランドハープの違い

アイリッシュハープとグランドハープは同じ撥弦楽器です。ただし構造自体は全く異なります。アイリッシュハープの半音階操作はレバーで行うのに対して、グランドハープは足元についているペダルで行います。
特にグランドハープ用に書かれたソロの楽譜や、オーケストラの楽曲は全てペダルハープを想定して書かれています。
ハープの楽譜はピアノと同じように大譜表を用いますが、ピアノの弾き方とも全く異な る構造、演奏方法ですので、対応できない場合もございます。『この楽譜をハープで弾きたい』など、具体的な目的がある場合はぜひお問い合わせ下さい。

アイリッシュハープの活用方法

アイリッシュハープでハープの基礎的な演奏方法を学ぶことは十分可能です。ペダルの代わりにレバーの上げ下げをして半音階の操作をするのがアイリッシュハープの特徴です。
お求め易いアイリッシュハープを用いて、学校の課外活動などでハープのアンサンブル活動をしてみませんか?ハープを通じて学生さんがアンサンブルの楽しさや音楽の基礎を学んでいくことが可能です。

楽器店・ハープ講師との連携

ハープは調弦も弦の張替えも自分で行います。ただ、生徒さんご自身が独学でハープの扱い方、演奏の仕方を学んでいくことは難しいと思います。初めにきちんとレッスンを受けた方が指の形の定着が早く、効率的に練習を進めていくことができます。
指導される先生方にもハープのお取り扱い方を知っていただけるように、楽器店、ハープ講師と連携していくことが望ましいと思います。

楽器販売店へお伝えしたいこと

楽器店でのハープのお取り扱いについて

近年アイリッシュハープに対する関心が高まっております。 ハープのお取り扱いをご検討の場合や、ハープに関する質問などがございましたらぜひご連絡ください。

スペア弦の準備

楽器店を通じてハープを購入するお客様がいらっしゃった場合、同時にスペア弦を購入されることをお勧めします。ハープは1本1本違う太さの弦を使用しています。弦が切れてしまった場合、そのままの状態で弦の取り寄せに時間がかかってしまうと、楽器にダメージを与えることになってしまいます。弦の張力が変わって共鳴版のゆがみができてしまったりするので、ハープを購入されたお客様には、常にスペア弦をご準備されるようにお勧めしてください。

ハープ演奏家の方にお伝えしたいこと

オリジナルハープについて

セカンドハープがほしい場合、何かオリジナルなハープを考えていらっしゃる場合はお問い合わせください。

ハープのトラブル

アイリッシュハープ・グランドハープのトラブル

・弦が切れる(グランド、アイリッシュ)
・ペダルフェルトの消耗(グランド)

上記2点はトラブルというよりは楽器演奏において必ずおこる消耗であり、どの楽器にもおこります。
弦の張替えは必ずご自身でできるようにしておきましょう。

ノイズがする(グランド、アイリッシュ)

原因:結び玉がしっかり結べていない。共鳴箱の中の弦が長すぎる。レバーの取り付けがずれている。レバーのねじが緩んでいる。弦が消耗している。ペダルロッドやディスク、ナットの不具合がある。etc.

チューニングのピンがきつくて回らない(グランド、アイリッシュ)

原因:楽器を長期間放置していた。寒暖、湿度の差のあるところに保管していたetc.

チューニングピンが折れる(グランド、アイリッシュ)

原因:楽器を長期間放置していた。寒暖、湿度の差のあるところに保管していたetc.

ペダルロッドが折れる(グランド)

ペダルロッドの調整がうまくできていないとペダルが重くなったり、チューニングしても音程が合わなくなったりすることがあります。

ペダルスプリングが折れる(グランド)

ペダルロッド、ペダルスプリングのトラブルは目に見えにくいので、大切に扱っていても突如起こることがあります。

音程が合わなくなる(グランド、アイリッシュ)

原因:チューニングピンが緩んでいる、弦の劣化、レバーやペダルの不具合がある

楽器にヒビが入る。割れている(グランド、アイリッシュ)

直射日光にあてたことで、接着や塗装がおちてしまう。楽器の転倒、移動中に落下させてしまった。乾燥しているところで長期間放置した。etc.

グランドハープは見た目の優雅さと違って、非常に機械的な構造をしています。アイリッシュハープ、グランドハープ共に楽器は同じメーカーのものであっても、モデルによって弦の幅やハープを構えたときの感覚が異なることが多々あります。

まず、ご自分の楽器のメーカー、型番、品番は必ずチェックしておきましょう。
きちんとした楽器の扱いをしていると、大きな楽器のトラブルを避けることができ、楽器を良い状態で保つことができます。上記のようなトラブルも、様々な原因が考えられますし、ご自分で解決することが難しい場合もございます。ハープでのトラブルがあった場合はぜひお問い合わせください。

グランドハープメーカー

ハープの選び方

@種類を選ぶ

目的の確認。何を演奏したいか。どんな目的かによって大きく二つに分かれます。
アイリッシュハープ
グランド(吹奏楽、オーケストラでの演奏を目的とする。音大進学など。)

Aアイリッシュ

36弦のフロアハープが現在のアイリッシュの主流とも言われています。
ラップハープ(持ち運びしやすい。場所をとらない。気軽に始めたい。)
フロアハープ(色んな曲に挑戦したい。ソロの演奏はもちろん、音量が出るので楽器の伴奏にも適している。)

B弦・弦の本数の違い

ナイロン(きらきらした音。切れにくく弦の持ちがよい)
ガット(豊かな音。)
スチール(澄んだ音色。チェンバロのような音色)
一つの楽器でも数種類を組み合わせている楽器も多くあります。

Cメーカーを選ぶ【重要】

メーカーによって弦の素材や、材質が異なる。
大きさ、デザイン、弦のテンション、弦の幅、音色も異なる。

D音色の違い

E価格

Fどこのお店で購入するか。【重要】

在庫がある場合と、無い場合がある。取り寄せに数ヶ月かかる場合もあるので、契約の前に必ず確認をすること。
楽器の保障はどうなっているか、メンテナンスを行っているかどうかも重要です。

信頼できる先生や販売店を見つけたら、講師や販売店員の意見を参考に。 
できればある程度レッスンを受けて、弾けるようになって、ご自分で試奏してから選ぶのが理想です。

グレースハープで取り扱っているハープ楽器
ダスティ
ミッドイースト
など・・・。