ハープ講師を目指す方の専門プログラム

グレースハープの【講師教育プログラム】は将来ハープを教えたい、ハープ講師として活躍したい、という目標を持った方を対象に開講しているプログラムです。技能・技術訓練の他、マナーや生徒さんへのフォローアップ手段まで学習できる総合プログラムです。
受講期間は個人差があります。以下基本情報をいただいた上でお一人お一人に合ったカリキュラムを作成し、期間内で効率的なプログラムをご提供致します。

基本情報

講師になるまでの期間(ご参考例)

■ハープ歴3年のNさんの場合:講師教育プログラム受講期間4ヶ月
≪ 担当講師より ≫
自らボランティア演奏などでハープ演奏を積極的に行っていました。ハープを教える職業につきたい、と講師教育プログラムを受講。ピアノを教えた経験を生かし生徒さんを「ほめる」「やる気にさせる」ことについては完璧でしたが、ハープの指の位置や技術的なことを上手く生徒さんに伝える方法や、体験レッスンにきた人にどのように対応するか(興味をもってもらうか)、自信がないようでした。
カリキュラムでは自身の基礎を見直し理解力を深め、指や姿勢を教える際の「表現方法」を指導しました。また受講者が体験レッスンを受ける疑似体験など取り入れ、自らがハープに興味をもった時のことを思いだしながらそれを上手に対象者に伝えられるよう指導しました。

■ハープ歴0年のTさんの場合:通常ハープレッスン期間6ヶ月・講師教育プログラム受講期間6ヶ月
≪ 担当講師より ≫
子供を対象としたピアノ教室を自宅で開講し、指導経験のあるTさん。「ハープは初めてだが、1年後にハープを子供に教えたい」と、当初から熱意と意気込みがありました。ハープには触れたことがなく初心者だった為、講師教育プログラム受講前に通常のハープレッスンを半年受講いただきました。上達がはやく6ヶ月後には講師教育プログラム受講に切り替え、計画通り1年後には 子供さんを対象に自宅でハープを教え始めました。それから3年間教室に通い自身の技術も磨き上げ、今では大人にも教えています。

ハープ講師を目指す方であれば受講できますが、全くハープを触ったこともない(例2のような)初心者の方には一定期間ハープを学んでいただくため通常レッスンを受講していただきます。技術レベルが目標に達したところで講師教育プログラムへ移行となります。
受講期間には個人差があります。

講師教育プログラム基本概要

1.技能:基本

・手指のかまえ、スケール、和音・分散和音・アルペジオ、半音階の説明と実演
・基本:ハープ教本1終了
・アイリッシュハープ・レバー操作
・ペダルハープ・ペダル操作について説明と実演
・弦の交換、チューニングの実演と説明

2.技能:応用

・小型ハープのためのアレンジ
・ピアノ楽譜をハープ向けにアレンジ
・アイリッシュハープとペダルハープの相互性理解

3.知識:ハープ

・ハープの構造
・ハープの歴史

4.知識:音楽一般

・五線譜の楽譜の理解(ト音記号、ヘ音記号、#、♭など基礎的な記号)
・「楽典」その他活用

5.自覚:責任感の確立

・受講者に提供するサービスの質向上/研究
・言い回し、比喩、デモンストレーションの工夫
・自分への相対的評価がスクール全体の評価になる
・技能のレベルアップ

6.楽器:所有

・ハープを自己所有している
・レッスン使用のハープの取扱い心得

7.態度:マナー

・適切な敬語、態度、身だしなみ
・受講者のモチベーション理解

8.情報管理:責任

・個人情報保護法の遵守
・社内情報の秘守義務

講師教育プログラム技術訓練

目的:お手本になる安定した技能を修得し、信頼される自信をつける

・基礎テキストの復習(例:教本1など)
・苦手な部分の復習、必要に応じて追加テキストの習得

講師教育プログラム実践訓練

目的:不安・緊張を軽減する。自分の言葉と行動でアプローチを考える

実践1>体験レッスンのロールプレイ(1回以上)

・講師候補生数人でお互いに講師&生徒役を務めてロールプレイ

実践2>通常レッスンのロールプレイ(1回以上)

・習得済みテキストからコーチが抜粋した曲を弾く
・コーチからの質疑に応答する

実践3>トラブル対応のロールプレイ

・演奏途中で弦が切れた、音程が狂った、など対応

実践4>生徒スランプ時対応のロールプレイ

・練習に行き詰った(練習方法相談)の適切な返答
・腱鞘炎になった(身体的相談)の適切な返答

 

※各教室の判断で、講師として適正ではない、と判断されました場合は、受講をお断りする場合もございます。ご了承ください。

講師教育プログラム指導者からのメッセージ

楽器に限らず、講習内容が受講者にとって「より多くを理解できる」ことが大切です。講師は講師の経験値と自分の言葉を使い指導します。受講者は受講者の経験と言葉をもって理解しますが、いくら熱心に説明し、実演してみせても難しい専門用語や、言葉がストレートに伝わらない表現をされたのでは受講者にとっては「言われたようにやっているのにできない」「何を言っているのか理解できない」という状況を生み出し、不安要素に繋がってしまいます。不安を顔に出される状態は瞬時に起こるものであり、それは講師にとって突然でもあります。

講師は自分のアプローチに多様性をもたせ、受講者に理解いただける言葉を使っていかなければなりません。

一方、講師に教える熱意があっても何等かの理由で、受講者にやる気が出ないときも同じように講師は瞬時に状況を察することになります。レッスン生が望んで話さない限り原因を把握できませんが、レッスンを受けに来ているだけで十分に「意欲」をお持ちであることを理解しましょう。

講師が満足するためにレッスンがあるのではなく、受講生が満足するためにレッスンがあります。次の過程に進むことを焦らせず、適度なペースを持ちましょう。「今日、レッスンを受けてよかった」「次はもっと練習してこよう」毎回のレッスンをこのように思ってもらえたら嬉しいですね。